「詩人の魂」というシャンソンがあります。もっともフランスにシャンソンという特別のジャンルがあるわけではなく、日本でいえば歌謡曲とでもいう感じらしいのですが、「詩人の魂」は、シャンソンを代表する曲の一つと言われています。歌手のシャルル・トレネの1951年の作品で、トレネのほか、イヴェット・ジローやジュリエット・グレコなども歌っています。歌はこのように始まります。

Longtemps, longtemps, longtemps

Après que les poètes ont disparu

Leurs chansons courent encore dans les rues

 

長い、長い、長い時間がたって

詩人が姿を消した後も

彼の歌はまだ巷に流れている

EXCITEによる翻訳 小倉補訳)

つまり、詩人の命には限りがあるが、詩は永遠だと歌っているのです。これがシャンソンの代表曲と言われるのも、むべなるかな。小倉明