外国のポップスが日本でヒットする要因にはおそらく歌詞の内容はあまり関係ないと思われます。よほど英語がぺらぺらの人は別ですが、一般的には歌詞の内容は分からなくてもメロディーやリズムの良さで曲を好きになっていることが多いと思います。そこが歌謡曲と違うところです。歌謡曲は日本語なので歌詞がとても重要です。

 オペラや歌曲もやはり同じことが言えると思います。オペラの場合は筋書きから大体の内容は把握できますが、メロディーとの関わりがよく分かりません。日本の有名なオペラ「夕鶴」は歌詞が日本語なので歌詞の内容が伝わり魅力が倍増します。僕が中学生の頃、藤原歌劇団のレコードがシリーズで何枚か発売されていて、日本語で歌われていました。歌詞の内容が良く伝わりとても貴重なものでした。

  60年代初期のアメリカン・ポップスは、男女の恋を歌った歌詞が多かったのですが、「ビートルズ」や「サイモンとガーファンクル」の出現により歌詞にも特別な意味をもつヒット曲が生まれるようになりました。日本のポップスも同じで、70年代から凝ったものが出て来ました。阿木燿子・井上陽水・ユーミン・さだまさし、などの歌詞はとても参考になりました。もちろん歌謡曲もユニークな歌詞の曲が増えて来ました。

   長くなりましたが本文の結論は次に挙げる2枚のCDを紹介したかったからです。1枚はシューベルトの「冬の旅」が日本語で歌われているもので、訳詞は松本隆。もう1枚はモーツアルトの歌曲を日本語で歌っているもので、訳詞は なかにし礼 が担当しています。

2枚とも現代のごく普通の言葉で訳されています。これらのCDを聴くと曲のイメージが変わってきます。あの難解な「冬の旅」がとても素晴らしい作品であること、モーツアルトの歌曲はとても洒落た作品であることがわかります。

 僕が大切にしているレコードに歌劇「ヘンゼルとグレーテル」の日本語盤があります。僕の宝物のひとつです。